幼稚園教育要綱など、講義を聞いたりして学んでイメージしてきた幼稚園に、実際通い、幼稚園教諭や子どもたちがどのように過ごし、どのように保育しているかを目の当たりにし、また実際に子どもたちの前に立って保育をする経験ができるのが幼稚園の教育実習です。
私の場合は、2回教育実習を行いました。一度目はほとんど「見学実習」のみの、1週間程度の実習でした。
二度目は2週間通い、「見学実習」だけでなく、担任教諭のように子どもたちの前で実際に実習をする「部分実習」・「半日実習」・「一日実習」を経験しました。
今回は、二度目に私が経験した、実習生も段階を経て、担任教諭のように最終的には一日実習をする場合の教育実習の内容についてお伝えしていきたいと思います。
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私が実際に体験した教育実習の内容
まずは環境設定
出勤したら、前日の実習記録を園長先生の机に提出します。身支度を整えたら、まず保育環境を整えるところから始まります。基本的には掃除がメインになると思います。
それ以外に、担任教諭の設定を手伝ったり、一日実習などをする日であれば、その日に行う予定の保育内容に沿った環境を自分で設定します。
室内なら、活動に必要な材料や道具が揃っているか確認をしたり、室内遊びで子どもたちが遊びやすいようにおもちゃの配置やコーナーの設定などをします。
園庭は、遊具の破損個所がないか、危ない石やガラスなど落ちていないかチェックしたり、戸外用のおもちゃも子どもたちが手に取って遊びやすい場所に配置したりします。ただ物を置くというだけでなく、子どもの動線を考え、また危険のないように配慮して設定するのもとても大切です。
時には園庭に猫のふんなどを見つけて、それを子どもが触らないように処理するなんてこともこれまでにはありました。朝礼やミーティングがあればそれに参加し、その日の行事や注意事項などを把握します。
登園は園児と信頼関係を築くチャンス
送迎がある園なら、担当教諭の送迎に同行します。幼稚園バスに乗ったり、集合場所から子どもたちと手を繋いで園まで安全を確保しながら歩きます。子どもが保護者と直接園まで登園する園であれば、保育室で待ち構えて一人一人を出迎えます。子どもたちと笑顔で挨拶をしながら、視診をします。
続いて実習生は、一日でも早く子どもたちと信頼関係が築けるように、名前も覚えながら室内や外で登園する子と沢山遊ぶようにします。
朝の会ではメモを取ることを忘れずに
片付けの声掛けが担任教諭からあったら、子どもたちと一緒に片づけをします。それから排泄・手洗い・うがいの様子を見守ったり、朝の会の様子をメモします。
見学実習の場合は、登園時から降園までずっと保育の様子を見学しながら、メモを取り続けることになります。
主活動は上手くいかないことが当たり前!ハプニングを楽しもう
製作やゲーム、行事の練習など内容は様々です。担任教諭の指示の元、見学することもあれば、保育補助となり活動のフォローに入ることもあります。
一日実習の時は、活動の導入・内容・動きなど全て実習生が考えて展開します。流れから脱線しますが、その展開の為に、実習生は前日よりもっと前から準備を始めます。
子どもたちとやってみたいこと、子どもたちに体験させてみたいことなどを考え、それを担任教諭に相談し、内容を固めます。そうしたら「実習案」を書いてみます。時間と主な活動、環境図、準備物、子どもの動きを書き、それぞれの動きの時に教諭が配慮すべき点やどう声掛けをするかを細かく書きます。
書けたら担任教諭に添削してもらい、さらに練りながらイメージを作っていきます。同時に準備物があればそれも準備していきます。そうした万全な準備を済ませてから実習当日を迎えるのです。
実習中は思い通りにならないことも沢山あり、また思いがけないハプニングもあります。なかなか臨機応変に動けないことも実習生にはありますが、そこは担任教諭が危険のないギリギリのところでフォローを入れてくれるので安心してください。同じ失敗を繰り返さないようにしていければいいのです。
話を戻しますが、主活動が終わり、使ったものがあればそれを全て子どもや教諭が片づけたら活動終了、となります。


時間があれば戸外遊び
活動の流れによってはこの遊びが入れられない場合もありますが、時間に余裕があり、雨天でなければ戸外で自由遊びをすることが多いです。
ここでは、単に一緒に遊ぶだけでなく、クラスの子どもたちが全員どこで遊んでいるか把握しながら、危険の内容に視界に入れつつ、遊びを展開します。ここでも、できるだけ子どもたちと信頼関係を築けるように一緒に楽しく遊べるよう努めます。
園児と一緒に食べる給食
おもちゃの片付け、排泄・手洗い・うがいの様子を見守り、適宜声をかけます。お当番さんが安全に給食を配っているかなど見守ります。担任教諭と同様に、子どもたちと一緒に給食を食べます。
担任教諭が座るグループからは少し離れたグループにするようにすると、バランスが取れていいですね。
自由遊びでも気を抜かずに
まだ食べ終わっていない子を励ましたり、難しそうであれば量を減らしてあげるなどの、担任教諭の援助を見ながら、子どもたちと室内で一緒に遊びます。
帰りの会では笑顔で挨拶忘れずに
部分実習ではこの時間に手遊びや絵本の読み聞かせなどすることが多いです。
子どもたちを引きつける導入の部分が手遊びになります。帰るときは一人一人の身なりが乱れていないか再度確認をしながら、挨拶をして見送ります。送迎がある園では担任教諭と一緒に子どもたちを保護者が待つ集合場所まで送り届けます。
降園後は掃除をして反省会
保育室の掃除をします。また、トイレや廊下、手洗い場など公共の場所も分担をして掃除をします。
実習記録が担任教諭から返ってくるので、それについて質問があれば質問をしたり、その日についての質問などします。また部分実習や一日実習などした日は反省会を行い、自分自身の反省点を述べたり、担任教諭や主任教諭から助言をもらうなどします。
最後に翌日の保育準備の手伝いなどをします。
まとめ
幼稚園は、保育時間が短いものの、内容がとても詰まっています。短い時間の中に、充実した活動があり、友達や教諭と関わり、成長する糧を得て子どもたちは帰っていきます。
そのために、実習生はどんな活動を入れようか頭を悩ませますが、下手に知らない内容を入れる必要はありません。
以前、私が教諭をしていた時に実習生をもったことがありますが、はさみを使う活動になりました。危険性については何度も確認をしましたが、結果、子どもの一人が自分の髪の毛を切ってしまうということがありました。幸いケガはなく、すぐに気付いて私から子どもに話をし、その後保護者の対応もしましたが、その時実習生は、その現場を見てはいませんでした。
これは、担当教諭の私自身の力不足ももちろん反省点ですが、実習生もこれなら子どもたちのことを頑張って見ながら楽しくできるかも、という内容を考える努力ができるといいなと思いました。
実習生時代、私も本当に悩みましたが、これなら!というものを考えられるよう頑張って下さい。