実は保育士は、一つの職場でずっと働き続ける人が多い仕事ではありません。
結婚や転職等の前向きな退職から、人間関係、待遇等の保育園への不満による退職まで退職理由は人それぞれですが、多くの保育士が一度や二度は退職を経験しています。
ですが、どの保育士も保育園を退職する時は、できるだけもめずにスムーズに退職したいと考えているのではないでしょうか。保育士の退職をスムーズに行うには、一般の仕事の退職とは異なるポイントがあります。
今回は、「退職したいけど、もめたくない!」という保育士のために、保育士が保育園を退職する時にもめずにスムーズに辞める方法を紹介します。
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退職したい!そう思ったら一番に相談すべき人は?
保育士の退職届を最終的に受け取り、退職することを決定するのは、保育園の園長や理事長です。ですが、「退職したい!」と思い立ってすぐに園長や理事長の基に話をしに行くのはおすすめしません。
なぜなら、一緒に現場で働いている保育士に相談せずに、いきなり園長等に退職の意思表明をすることは、トラブルの原因になる可能性があるからです。園長等の管理職は、園長会を始めとする様々な会議や研修、行政との調整等でかなり多忙です。
一般の保育士が、多忙な園長の手を止めて、いきなり退職の相談をするというのは、お叱りを受けてしまう危険性があります。また、協調性を重んじる保育園では、直属の上司を飛び越えていきなり園長に話を持っていくというのは、いい顔をされないでしょう。
現場で一緒に働いている保育士も、自分たちに何の相談もなく、いきなり園長に退職の話をしたとわかると、あまりいい気持はしません。
このような理由から、まずは、実際に保育の現場をまとめている、主任保育士や先輩保育士等の直属の上司に相談をすることがベターです。
間に直属の上司を挟むことで、人員配置や行事の調整等に配慮してもらえ、園長にもスムーズに話を通してもらえるでしょう。


保育士は年度末しか退職できないって本当?
民法第627条によると、退職の意思は退職の二週間前に伝えれば良いことになっており、保育士だからと言って「必ず年度末に辞めなければいけない。」ということはありません。
ですが、「保育士は年度末にしか退職できない。」と言われるのには、理由があります。
通常、保育園では前年度の3月の時点で、翌年度の1年間の保育計画が完成しています。保育計画の中には、当然人員配置が含まれていますので、年度途中で退職をすると、周囲に迷惑をかけることは避けられません。
特に、クラス担任や行事の担当者になっている場合、年度途中での退職を申し出ても引き留められる可能性が高いです。また、年度途中での退職は、園児や保護者にも動揺が生まれてしまいます。
そのため、保育士が保育園をもめずにスムーズに辞めたい場合は、年度末での退職が推奨されるのです。
年度末の退職、退職の意思はいつ伝えるのがベスト?
年度末の退職を希望する場合、5月~6月ごろまでには退職の意思を伝えましょう。なぜなら、5月ごろから保育園側は翌年度の新規職員採用の準備を始めるからです。
新規職員の採用は、今いる保育士の人数を勘案して採用人数を決定します。そのため、保育園が採用試験を終える時期冬頃に退職を伝えると、さらに穴埋め分の採用試験を行うことになり、保育園側からすれば二度手間になります。
中には、採用時に「年度末の退職は、4月までに意思表示をすること」と、就業規則で定めている保育園もあるほどです。もちろん、特別な理由がある場合は、年度途中の退職も認められます。
例えば、自身や家族の体調不良によって、勤務することが難しくなった場合等は、年度途中であっても引き留められたり、揉めたりする可能性は低いと言えます。

保育士がスムーズに退職できるおすすめの退職理由は?
退職理由は必ずしも本当のことを言う必要はありません。また、言いたくなければ「一身上の都合」で通すことも可能です。
ですが、「退職日まで円満に勤務したい。」ということであれば、保育園側が納得する理由を準備しておくことがおすすめです。
体調不良や家族の事情は、園側も考慮をしてくれ退職をスムーズに進めることは可能ですが、本当の理由でない場合はおすすめしません。なぜなら、何かの拍子に嘘がばれてしまう可能性があるからです。
以前、母親の介護を理由に退職をした保育士が、母親と元気にショッピングしている姿を保護者に目撃され、園にばれたということがありました。「すでに退職してるんだから、ばれてもいいのでは?」と思うかもしれません。
ですが、その保育士は、嘘をついて退職をしたことが保育士の研修等で広まり、その地域の保育園に転職することが難しくなってしまいました。
そこで、おすすめの退職理由が「保育士としてキャリアアップしたい」というものです。
保育士としてのキャリアアップは、同じ職場で長く勤めることでも培われますが、違う分野に挑戦することも大切です。保育園側もそのことを良く理解しているので、「新しい分野にチャレンジしたい」という前向きな意見には賛同してもらえる可能性が高いです。
「障害のある子供の保育を学びたい。」と退職希望を出した保育士は、転職先を斡旋してもらったり、転職のための休暇も快く認めてもらったりしていました。実際には、「人間関係がしんどい」「給与が安い」等の理由があるかもしれません。
ですが、「より良い職場に変わりたい」という気持ちがあるのであれば、「保育士としてキャリアアップしたい」という退職理由は、とてもおすすめです。

保育士が保育園をもめずにスムーズに退職する方法のまとめ
保育園で働いていると、様々な理由で退職を考えることがあるでしょう。
保育園という特殊な職場事情から、突然退職することは、自分にとっても保育園にとっても良くありません。保護者や子供たちにも動揺や不安を与えてしまいます。
特に、保育士として退職後も転職を考えている場合は、スムーズに退職しないと、良くない噂が立ち、転職自体が難しいという事態にもなりかねません。
今回の記事を参考に、もめずにスムーズに保育園を退職してくださいね。